行政監視研究会

行政監視と憲法改正の関係

「参議院人事行政監視院+衆議院会計検査院」構想は、憲法改正を必要としません。そのため比較的に速やかな実現が期待できると思います。とは言え、改憲の際には、二院制と議院内閣制の維持を前提とするならば、「参議院に人事行政監視院を置く」というように、条文改正で行政監視についてしっかり規定した方が良いと荒井達夫は考えています。 

また、行政監視は参議院が中心であることを徹底するためには、法律案成立に関する衆議院の再議決要件を「3分の2」から「2分の1」に改めると同時に、会計検査院も参議院に置くことにするのが良いと思います。このような改正により、いわゆる「ねじれ」による国会の機能不全問題が解消するとともに、参議院議員は政党に所属していても、議決のために本来あるべき議論が行えないという党派性の問題を回避することが可能になるからです。さらに金銭面での行政監視(会計法の誠実な執行の監視)の大幅強化にもなります。人数的には人事行政監視院と会計検査院で参議院が2000人超の増員となり、行政監視のためのマンパワーとしては十分です。国民主権に基づく二院制と議院内閣制という仕組みの中で、「政府と官僚機構をつくる衆議院、それを監視する参議院」を徹底するアイデアである、と私は考えています。

なお、議院内閣制を維持したまま、二院制をやめて一院制にすべきだとの主張がありますが、これでは政府と官僚機構に対し第三者的立場からの適切な行政監視は不可能になりますので、論外と言うべきです。また、政府と官僚機構を統制する仕組みとしては大統領制が一番シンプルで良いと私は考えており、参議院憲法審査会の参考人意見陳述でも、そのように発言しました(※)。この点の重要な指摘をしてくださったポール室山氏(米国在住ロビイスト)に感謝しております。
※2016.2.17参議院憲法審査会 荒井達夫参考人発言
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「行政監視研究会」は、元国会職員で大学教員の荒井達夫が主宰する「行政監視」に関する研究会です。
「行政監視」は、国会の議員と職員という実務家が切り開く新しい学問分野です。
このホームページ(2022.8.26公開)では、「行政監視」に関する最先端の国会論議を紹介します。

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